だけど、毛布はさすがに欲しいので、くれるまで待っていると、爽介さんは長いため息をついた。
「こっちおいで」
そう言われた直後には、私の足は地面に着いていなかった。
あっという間に抱えあげられて、リビングを出てしまう。
そして、そのまま寝室に行き、ベットの上に降ろされた。
「爽介さん?」
もしかして、ここで寝ろって事なのかな?
爽介さんの匂いに包まれて寝るのは、ちょっとドキドキしてしまう。
なのに、爽介さんは当たり前のように私の横に入り、ぎゅっと私を抱きしめて布団を掛けた。
「っ!?」
どういう状況?軽くパニックになっている私は、動けないまま、爽介さんの腕の中に収まってしまっている。
「あ、あ、あ、あのっ!」
さすがにこれは、緊張するし、ベットを使うのは申し訳なさすぎるので、身をよじって抜け出そうとした。
「どこ行くの?」
そんな、寂しそうな顔で言わないで欲しい。
私が悪いことをしているみたいになるじゃないか。