その辺にも居るような、飛び抜けている才能もない私に、高級都市の若手エリートが一目惚れするなんて、確率がゼロに近いくらいにありえない。
「そもそも、なんで私は合格なんですか?」
言い方は悪いけれど、好条件の玉の輿のチャンス。
こんなの、応募が沢山来るに決まっている。なのに、なんで私?
家事の能力をチェックされた訳でもないし、テストをした訳でもない。ただ着替えて、見られて、笑えと言われただけ。
何を見て判断されたのか、全く分からないし、想像がつかない。
「それはね、秘密」
爽介さんは、そう言って、シィーっと口元に人差し指を持っていった。
そんな仕草の一つ一つに色気があり、きっと直ぐに人だかりができて、キャーキャー騒がれるだろう。
「じゃあ、なんであんな求人を出していたんですか?」
教えてくれないなら、違うところから攻めていく。



