ふたりきりのこの場所で、最高の夜景に、最高のシュチュエーション。
爽介さんは意外とロマンチストなのかもしれない。
それに、私の返事はとっくに決まっている。
ほかの返事は考えられない。
「よろこんでっ」
昔、爽介さんと会っていたとは思ってもいなかった事実だけれど、私だってあの時、嬉しかったんだ。
まだ高校生だったし、好きとかでは無かったかもしれないけれど、たまたま話しただけの子供の大会をわざわざ見に来てくれたこと。
髪飾りをくれた事だって、忘れたことは無い。
ただ、爽介さんがかっこよくなりすぎてて、同一人物だと結びつかなかっただけだ。
「手出して?」
私は左手を差し出して、その指輪を薬指にはめてもらう。
シンプルだけど、品のあるデザインのその指輪は、サイズもピッタリだ。
なんで指のサイズまで知っているのかはわからないけど、服のこともあるし、私の好みを考えてくれたのだと伝わる。



