「ねぇ、葵?さっき、僕のこと好きだって言ってくれたよね?」
改めてそう言われると恥ずかしい。
誤解をとくためとはいえ、一気に想いをぶつけてしまったから。
「うぅ、はい......」
思い出すだけでも、身体中が暑くなってくる。
「今まで、結婚してるって嘘ついててごめんなさい。あの、再会した時ーー。いや、8年前からキミに惹かれていたのだと思う」
爽介さんから、目が離せない。
吸い込まれるように見つめてしまう。
ドクンドクンと、心臓の音がうるさいくらいに聞こえてくる。
「それで......、もし許して貰えるなら、葵ーー」
爽介さんから出てくる言葉のひとつひとつが、鮮明に頭に記憶されていく。
一言も聞き逃すまいと、本能が言っているみたいだ。
そして、爽介さんは私と一歩距離を近づけて、目の前で跪いた。そして。
「ーー僕と結婚してくれますか?」
胸ポケットから出された小さな箱を、私に差し出しながら、ハッキリとそう言った。



