「これは?」
「開けてみて」
折りたたまれているその紙を開いてみると、見覚えのある手書きの文字と、左上に印刷されている婚姻届という文字。
「ずっと黙っていてごめん」
これって、爽介さんと会った初日に出されたんじゃーー?
仕事の契約書だと思って書いたら、婚姻届だったんだよね。
もちろん、印鑑まで押してある。
私の名前も、私の字で書かれているから、間違いない。
「ど、どういうことですか......?」
つまり、離婚する以前に、結婚さえしていなかったって事?
「あの時は、半分騙すみたいにしちゃったから、本当に葵が僕と結婚してもいいと思ってくれた時に出そうと思ったんだ」
「......」
それって、爽介さんは私と初めから本気で結婚する気だったという事だよね。
いやーー、私も結婚しているものだと思っていたけれど、出会いが出会いなだけに、色々衝撃がありすぎて、追いつかない。



