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「わぁー!」
ご飯を食べ終えた私達は、何故か家には帰らず、同じビル内の屋上に居た。
果たして、ここは入っていいところなのだろうか。
そんな疑問が頭に一瞬過ったけれど、それよりも綺麗な夜景に気を取られて、何も考えられなくなってしまった。
さすが、高層ビルの屋上。
邪魔するものなど何も無く、360度全てがキラキラ輝く景色で埋め尽くされている。
もちろん、私がこの前まで住んでいた街の方までよく見える。
さすがに家がどこかは分からなかったけれどーー。
「綺麗......」
はしゃぐ私を見て、爽介さんは満足そうに笑った。
「ここ、いいでしょ。僕のお気に入りの場所」
まさか、お気に入りの場所に連れてきて貰えるとは思ってもいなかった。
私が、そんな大事なところに来てしまっていいのだろうか。
そんな私の考えを見抜いたのか、爽介さんはまた口を開く。
「葵も好きな時に来ていいよ。これ鍵ね」



