なのに、あれーー?
店員さんは私達のいる席に真っ直ぐ向かって来てる。
そして、私の目の前にお皿を置いた。
「お誕生日おめでとうございます」
「葵、誕生日おめでとう」
「えっ......?」
今日はーー、私の誕生日?
最近それどころじゃなくて、すっかり忘れていた。
しかも、爽介さんが私の誕生日を知っているとは思ってもいなかった。
どうしよう。嬉しい。
思ってもいなかったサプライズに言葉が出ない。
周りのお客さんも、店員さんも、いつの間にか拍手してくれている。
嬉しいのに、なんだか恥ずかしい。
私は、お礼の代わりに周りのお客さんに、ペコペコ頭を下げた。
そして最後、爽介さんを真っ直ぐ見る。
「爽介さん、ありがとうございますっ」
「喜んでもらえた?」
たぶん、前もって準備してくれていたのかもしれない。
それも、ギクシャクするより前から......。
いくらお金持ちでも、爽介さんが有名でも、急にこんなケーキを用意するのは難しいだろう。



