再び、沈黙の時間が来てしまう。
ーーちゃんと、話さないと。
たぶん、コース料理だから、次々と運ばれてくると思う。
だからこそ、話す時間はたっぷりある。
ゆっくり話す為にも、まずは誤解を解きたい。
「あ、あの……」
「ん?」
話すと決めたのに、どこから言おうか言葉が詰まってしまう。
なのに、爽介さんは急かすこともせず、ちゃんと聞く体勢で私が話し出すのを待ってくれていた。
「爽介さん、誤解……なんです」
爽介さんは、“何が?”なんて聞いてこない。私の言葉の続きを、ただ待っている。
「あの日、村本さんに会ったのは、好きだからじゃないんです。ただ、相談したいことがあって」
「相談なら、わざわざ挨拶しかしてない圭じゃなくても、友達の方がよかったんじゃない?」
爽介さんの言っていることは最もだ。
だけど、杏奈はあの時、電話しても繋がらなかったのだからしょうがない。



