覚悟を決めた私は、戸締りをして病院に向かった。
と言っても、すぐ隣なので数分も経たないうちに着いてしまう。
ドキドキしながらエレベーターを降りて、エントランスに居るコンシェルジュさんにぺこりと挨拶をする。
自動ドアを潜り外に出て病院の方を向くと、既に待っている爽介さんが見えた。
遠くからでもわかるくらいの長身で、あのカッコイイオーラが隠せていない。ひと目で爽介さんだと分かってしまう。
それよりも、ちゃんと仕事を終わらせてくれて、時間通りに待っていてくれたことが嬉しかった。
「お、おまたせしました」
実際に爽介さんを目の前にすると、意識しすぎて、カミカミの言葉になってしまった。
一気に頭の中が真っ白になる。
「じゃあ、行こうか」
そう言った爽介さんは、ショッピングモールのある方では無く、あのオフィスビルのある方に向かった。