普通にご飯食べながら、さりげなく話題を振って話に持ち込もうかなと思っていたのに。
だから、すぐできるものの中でも爽介さんが好きそうなシチューにしたのに。
現実は思った通りになんて、ちっとも行かない。
「ふーん……。別に言わなくてもいいけど」
そう言いながらも、口調は怒っている。
「俺に内緒で、アイツに……圭に会っていたくせに。アイツのことが好きなら離婚する?どうせ、僕達は契約結婚だしね」
「なんでそのことっ!」
会っていたことをなんで知ってるの?
それよりも、爽介さんは誤解している。
「やっぱりそうなんだ。そうならそうと言ってくれれば良かったのに」
爽介さんは、それだけ言って出ていってしまった。
しかも、玄関が開く音がしたから、外に行ったことが分かった。
ーー違うのに。
誤解をとく暇もなく、目の前からいなくなってしまって、軽く放心状態になる。
それに、言わた言葉が頭から離れない。