近くにいるだけでも、こんなに意識してしまうなんてーー。
「話したおかげ……かなぁ」
「なにが?」
「っ!?」
びっくりした……。
いつの間にか、着替えて戻ってきた爽介さんが背後に立っていた。
戻ってくるの早すぎる。
「誰と?何を話したの?」
真剣な眼差しで、グイッと近づいてくる。
そんなに近づかれたら、私の心臓はまた暴れだしてしまう。
「なんでもなーー」
「僕には教えるつもりない?」
えっと。私は、もしかしてなにかしてしまった?
爽介さん、怒ってる?
いつもの柔らかい雰囲気なんてどこにもなくて、イライラしたように見える。
伝えてもいいんだけど、今の爽介さんに言っても、変な風に捉えられる気がする。
だから、今はまだ詳しくは言えない。
「あ、……えっと」
なんて言ったらいいのか、言葉が上手く出てこない。
それに、爽介さんからの圧も感じて、余計に言いづらい。
どうしようーー。こんなはずじゃなかった。