「村本さん、話聞いてくれてありがとうございました」
「いいえ〜。またいつでも連絡してね」
私はお礼を伝えて、持ってきていた“何かあった時のため”と渡されていたお金を少し置いて、家に戻った。
思ったよりも話し込んでしまったため、結構時間が経っている。
私は急いでご飯の支度を始めた。
今日はシチューだ。グツグツと煮込みながら、爽介さんに、どうやって話しを切り出そうか考える。
さすがに直球にいうのは、恥ずかしいし、本人を目の前にしたら出来ないだろう。
だから、さりげなく恋愛の話題になるように持って行けたらいいんだけど……。
そんなことを考えているうちに、玄関を開ける音が聞こえた。
えっ、もう帰ってきた?
時計を見ると17時10分を示している。
普段、残業が多いのに、今日に限って定時で帰ってきたの?
心の準備が出来ていない。
私は内心焦りつつ、おかえりなさいと出迎えた。
「ただいま葵。今日は何してたの?」



