王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜



名前を出した途端、素早く対応を変えた受付の人。


一体、村本さんは何者......?


名前を言っただけでも、こんな簡単に通していいのかと私の方が心配になる。


奥のまで進んだところにある個室の前で止まった。


コンコンコンッと、軽快なリズムでノックをする。



「村本様。お連れ様がいらっしゃいました」


「どうぞ〜」



個室の中から、この間聞いた村本さんの声が聞こえる。



「あ、葵ちゃん。ごめんねここまで来てもらっちゃって」



ひらひらと手を振りながら私を呼んだ。



「い、いえっ。私の方こそ突然すみません」


「それではごゆっくりどうぞ」



高級バーに来て緊張していたのに、さらに村本さんに無事に会えたおかげで、緊張が少し解けて、案内してくれた人の事を忘れていた。

私が、本当に約束している人だったかを確認するためにも最後までいたのだろう。

本人と分かったからか、案内だけして離れていった。