嘘には思えないような言い方だったから、本気にしてしまったじゃないか。
本気じゃなくて、少しほっとした気持ちもあるけれど、ちょっぴり胸がチクッとした気がした。
私は、それに気付かないふりをしながら、逃げるように背を向ける。
「は、入ってきます」
「うん、ゆっくりしておいで」
どこまでも優しい爽介さんは、時間は気にしなくていいよとソファーに座りながら言う。
私は、それでもなるべく待たせないようにと、急いでお風呂場に向かった。
なるべく急いで体を洗い、少しだけ温まろうと湯船に浸かる。
それにしても、今日はなんだったのだろう......。
爽介さんに、ものすごく振り回されていた気がする。
まさか、あそこまで家事が出来ないとは思ってもいなかったけれど、そんな完璧ではない一面を見ることが出来て、ほんの少し距離が近づいた気もする。
一瞬あった、甘い雰囲気に呑まれてもいいかもしれないと思う自分もいた。



