だから、ドキドキしているけれど、この雰囲気に呑まれる訳には行かないのだ。
それ以降は、何も無いまま、一定の距離を保って映画を見続ける。
結局最後まで見ても、何一つ覚えていないくらい集中できなかった。
***
「あ、起きた?おはよ」
目を開けると、部屋の中は暗くなっていて、唯一の明かりは窓から差し込んでいる月明かりだけだった。
ぼーっとした目を擦りながら開けると、爽介さんが私を見下ろしているのが分かる。
この状況はーー?
頭の回転が追いつかず、どうしてこうなっているのか分からない。
たしか、映画を見ていて1本目が、終わってからもう1本見ようって、連続で見たんだよね。
もちろん、その2本目も内容は頭に入ってこなかったけれど、中盤に差し掛かった時、隣にいる爽介さんが寝ているのを見つけた。
その寝顔を見ていて、いつの間にか私も寝てしまったっぽい......。
なぜこの体制になっているのかは分からないけれど。



