思わず、チラッと隣を見上げると、何故か私と目が合った。
ーーえっ、なんでこっち見てるの?
咄嗟に、顔を背けてテレビに戻る。
「葵?」
集中しようと頑張っている私に、爽介さんは甘い声を出した。
「な、なんでもないですっ」
ドキドキして、思わず見てしまいましたなんて、口に出して言えるわけが無い。
「ねぇ、こっち見て?」
手を握られて、クイッと引っ張られる。
まってまって、どうしてこんな雰囲気になった?
私はどうしたらいいの?
どうして、アクションものではなく、恋愛系を選んでしまったのだろうと後悔する。
雰囲気が甘くなる事なんて、想像できそうなのに、一切頭の中に無かった。
横から感じる視線に耐えきれない。
私は、一瞬だけ隣を見上げた。真っ赤になった顔で......。
「......っ、それは反則ーー」
握られた手も、嫌じゃないから振り解けない。
固まっている私に、爽介さんはさらに近づいてきた。



