ちょっと常識外れな所はあるけれど、かっこいいだけではなく、甘さや可愛さまで兼ね備えているなんて、こんなのずるい。


こんな一瞬でドキッとさせられるなんてーー。

思わず、この流れに身を任せてしまいそうになる。

このまま一緒に二度寝をしたい。


そう、頭の中でもう一人の自分が囁きかけてくる。

でも、ここで流されちゃダメだ。



「だ、ダメです......起きないと」



遅刻しちゃうし、私の心臓が持ちません。


後半は心の中だけで言った。

口に出してしまったら、それこそ爽介さんの思うつぼだろう。



「じゃあ、おはようのキスは?してくれないと起きない」


「ふぁ......!?」



今なんと?キスって言った?


朝から、この甘い空気はなんだ。

いつもはシャキッとしているのにどうして?

思わず、この流れにのまれそうになる。



「してくれないの?」



まだ目をつぶって寝たフリをしている爽介さん。

普通に喋っているから起きているはずなのにーー。