よしっと、ドキドキするのを抑えつつ、寝室に向かった。

音を立てないように、そっとドアを開けて、薄暗い部屋に滑り込む。

ベットに近づくと、爽介さんは気持ちよさそうな寝息を立ててまだ寝ていた。


昨日の夜も帰ってくるのが遅かったから、きっと疲れているのだろう。


できるだけ、帰って来るのを待っているようにはしているのだけれど、昨日は気がついたら寝てしまっていた。

しかも、リビングに居たはずなのに、起きたらベットだったから、爽介さんが運んでくれたのだろう。

疲れているのに、申し訳ないことをしてしまった......。


寝顔を覗き込んで見るけれど、起きる気配が全くない。

それに、その寝顔もハッとするようなカッコ良さだ。


起こすのが勿体ない。


でも、起こさないと後で困るのは爽介さんだし、仕事にも支障をきたしてしまう。

疲れているのだろうけれど、ここは起こさないといけない。