誠に不本意ではございますが、その求婚お受けいたします



「……誕生日なのか」


ポツリと呟くように、律さんが私に尋ねた。
ドリップが終わったコーヒーを自分でカップに淹れて、飲んでいる。


「実は、そうなんです」

「何か欲しい物でも?」

「え?」

「誕生日プレゼントなんだろ、それ。他にも欲しいのがあれば買ってやる」

「いいですよ! ほら、指輪を買ってもらいましたし、ビルだって私の名義にしてくれたじゃないですか」

「指輪、ビル、ときたら次は……島か」

「何言ってんですか」

「冗談だ」


冗談とか言うんだ……。
いや、律さんが言うと冗談に聞こえないのが怖いんですけど。
「本当にもう十分過ぎるほど貰ったので!」と念を押し、花束を活けるための花瓶を探した。



* * *


「へぇ、今年も贈ってくれたんだ」

「そうなんです。それで、あまりにも可愛いお花だったので、持ってきちゃいました」


年々豪華になっていると言っても過言ではない花束は、家に唯一ある花瓶に収まりきらなかったので、お店にも飾ることにした。
シンお兄ちゃんが毎年花を贈ってくれることを知っている村田さんからもフラワーアレンジメントを頂いて、店は一段と華やかだ。