誠に不本意ではございますが、その求婚お受けいたします



利用できるだけすればいいなんて、そんな言い方……。
だけど、これも律さんの優しさであることはすぐに分かった。


「1人がしんどいなら、従業員を雇えばいい。こっちで探そうか」

「いえ、そんな……人を雇うなんてそれこそプレッシャーなので」

「そうか」

「はい、ありがとうございます」


人手が必要なわけじゃないし、1人の方が気が楽だ。
だけど、そうだよね。これからはもっと、


「「困った時は、相談……」」
「しろ」
「してもいいですか?」


思いがけず声が重なって、目を丸くする。
それから少しして、どちらともなく笑った。
――というか、律さんってこんな風に笑うんだ。
笑った顔を初めて見たかも……。


「今日は、まだ仕事に行かないんですか?」

「あぁ、午前中はここですることにしたから」

「それって、私のせい……」

「そういうわけじゃない、こいつさえあればできる仕事だから家にいるだけだ」


律さんは、照れくさそうにそう言ってタブレットを指さした。
そのタブレットは彼の相棒といっても過言でないほど、いつも持ち歩いているもので、確かにそれさえあればどこで仕事をしようと同じなんだろうけど。

(心配して家にいてくれたって、思ってもいいですか……?)


自惚れかもしれないけど、胸がドキドキする。