誠に不本意ではございますが、その求婚お受けいたします



どうしよう、やってしまった。
お店を引き継いでから今まで1度も臨時休業なんてしたことなかったのに……。
ショックのあまり、ソファに倒れ込むようにして座る。
その様子を見ていた律さんが立ちあがろうとしたので、手で制した。


「大丈夫です、熱は下がりました」

「そうか」

「ご迷惑を掛けたみたいで、すみません」

「謝ることじゃない。疲れていたせいだ」


疲れ? そんなはずはない。
律さんのおかげで以前よりもずっと楽な暮らしをさせてもらっているのに。


「自分が情けないです」

「誰だって慣れない環境で暮らせば、疲れるものだ。そんなことで落ち込む必要はない」

「でも、」

「君は何でも1人で背負い込むタイプのようだな。責任感が強いのは良い事だが、それは自己管理ができてこそだ」

「それは……理想論です」


律さんの言う事は尤もだけど、目の前のことをこなしていくことに必死で。
だから自分のことは後回しになって体力は、限界ギリギリ。
それでも頑張るしかないから、こうなってしまうわけで……。


「馬鹿だな、何のために俺がいる」

「えっ」

「理想をかなえるために結婚したんじゃないのか? 俺は君の望みを何でも叶えてやることができるんだ。利用できるだけ利用すればいい」