誠に不本意ではございますが、その求婚お受けいたします



(私、一体……)


まだ重さが残る体を起こして辺りを見回す。
どうやら自分の部屋で、自分のベッドで眠っていたらしい。
だけど、どうやってここまで来たか覚えてなくて頭が混乱する。


(確か、迎えの車に乗った瞬間具合が悪くなって)


そこからの記憶がない。
ということは、誰かがベッドに運んでくれたの……?


「とりあえず……水飲みたい」


ベッドから這い出る時に時計を見ると、8時だった。


「やばい、お店!」


開店時間から1時間半も過ぎている。
慌ててリビングに駆け込むと、律さんがソファーに座っていた。


「もう起きて平気か?」

「あ、あれ? どうして律さんがこんな時間に? あ、そっか。日曜の夜だから居てもおかしくないですよね、すみません私ちょっと急いでいて」

「いいから、落ち着け」

「ん? そういや、どうしてスーツを着ているんですか? 夜なのに」

「……朝だ」

「え?」

「朝の8時だ。君は昨日、ストレス性の疲労で倒れて今までずっと寝てたんだ。店には臨時休業ってことで張り紙を出しておいた」


嘘……!
反射的に窓の外を見ると、眩しいほど太陽の光が差し込んでいる。
間違いなく、朝だ。