「鈴木さん、百花が結婚したって聞いてショックを受けてたみたいだよ」
「鈴木さんが? どうして?」
「ほんっと、百花ってこの手の話に鈍いよねー。まぁ、そういうところも選ばれた理由の一つなんだろうけど」
果歩は溜息交じりにそう言う。
それから急に思い出したように「そうだ」と手を叩き、鞄の中からラッピングされた包みを取り出した。
「はい、これ1日早いけど誕生日プレゼント」
「覚えててくれたんだ。嬉しい! ありがとう」
「開けてみて」
「いいの?」
なんだろう、わくわくする!
丁寧に結ばれたリボンを解いて、袋を開けると中には真っ赤な下着が入っていた。
しかも、すっごくセクシーなやつだ。
「果歩……これ……」
「それで常務の心をガッツリ掴んで、身も心も本物の妻になってね! 目指せ、一生セレブ妻」
「ちょっと声が大きい……!」
恥ずかし過ぎて、顔が爆発しそうになる。
自分がこの下着を付けているところを想像して、さらにまた爆発しかけた。
「さて、そろそろ行こうかな」
「また新しい彼氏とデート?」
「今回はなんとパーソナルトレイナー」
「あ、果歩が最近通い出したジムの?」
「そう! すっごく良い体をしてるの! 見る? 腹筋バッキバキよ」
「遠慮しておきます」