「ただいまぁ〜!!!」
ばたばたと靴を脱ぎ、ベッドに寝転ぶハル。

AM4:00
外がだんだん明るくなってきている。


「手、洗わせて」

「ん、洗面所あっち〜!」

言われた方に向かった。







私の足が止まった。




緑の歯ブラシと、ピンクの歯ブラシが並んでいた。



全部知ってる。
ひとりの人を好きになれないことも
恋なんていらないことも
愛なんて知らないことも
私には恋人がいて
あなたは大事な友達で
私たちは一番の理解者で
私は。

 

「マヤ、どうしたの?」

「...なんもないよ、水飲んで寝な?」

「お水ちょおだい〜〜」

「めんどくさ、自分でやってよ」

「冷たい女の子だなぁ...彼氏に愛想尽かされちゃうよ?」