「ううん、良かったよ。楽しかったし、幸せだったし」


「本当にもう会えないの?」


「会えないんじゃないよ、会わないの。」


「一生会わないの?」


「うん、だから、さようならだよ」


「言葉にすると寂しくなってきたな」


「人生でいくつもある別れのひとつだよ。」


「マヤはいつだって真剣だもんね」


「ハル、ありがとう、元気でね」


「マヤ、またね。」




私たちは終わったどころか始まってもいなかった。




あんなに泣いたのは、人生で初めてだった。