「……なんでそんなに俺にこだわるんだよ」
訳わかんねー、って。
改めて聞かれると困るような質問を投げかけてきた。
ちょっと返事に困って言葉につまったあと。
「特に……深い理由は、ない、です」
「じゃあ別に」
「けどっ、狼くんと一緒にごはんが食べたいんです……! それじゃ、だめなんですかっ」
そこは、ゆずれない。
立っていると私のよりずっとずっと高い位置にある狼くんの頭を、見上げる。
お願い狼くん、って、じっとその切れ長の瞳を見つめると。
「……その目、うざい」
時間にして、数秒。
狼くんの方から逸らされた。
でもそれ以上何も言われない。
舌打ちもため息も、なかった。
「一緒に食べてくれるんですね……!」
渋々、でもぜんぜんいい。
私のわがままだってことは百も承知だもの。
「ついでになので、“おやくそく” にしてもいいですか?」
「……何を」
「なるべく一緒に食卓を囲む、って」



