狼くん、ふれるなキケン!



「言い方の問題です……!」



もう、と頬を膨らませると、まやくんはくすくすと笑う。



まやくん、こと八木 真矢(やぎ まや)くん。


私とまやくんがどういう関係かをとっても簡潔に解説すると、むかしむかし、同じ幼稚園に通っていて、同じクラスだったの。



だから、まやくんの言う『一緒に寝た』はお昼寝のことで、ハダカうんぬんも、幼稚園でのお着替えもしくはプールのこと。



それを紛らわしい誤解を招くような言い方するから、ややこしくなっちゃったんだよ。



それに。





「まやくん、見た目変わりすぎてて、誰だかぜんぜんわからないです」





当たり前のことだけど、ぐんと背も伸びて声も低くなって。


おまけに、髪の毛もかんぜんに違う色に染めちゃってて、まやくんだってわかるポイントがほぼ残っていない。


これで誰だか当ててみろ、だなんて難易度が高すぎる。




「えー、つれないなあ。おれは、ひと目でひなちゃんだってわかったのに」

「私はまやくんみたいに、色々変えたりしてないですもん」

「や、めっちゃ変わったでしょ、ふつうに」