狼くん、ふれるなキケン!



「いつでもおいでよって言ったの、覚えてる?」



おぼろげだけれど、たしかに。

『いつでもおいでよ、おれのとこ』

いつか、そんなことを言っていたような。




「あのときは冗談だったけど、今度は本気」

「本気って……っ」

「おれじゃだめ?」



だめ、って何が。

ただただ戸惑う私に、まやくんは薄く笑って、手を差し伸べる。


うやうやしく、その仕草は王子さまのよう。
それが難なく似合ってしまうのがまやくんという男の子だ。




「俺、ひなちゃんのことが好きだよ」

「……え?」




空耳かと思った。
あまりにもまやくんが自然態だから。

戸惑う私に、まやくんはもう一度。




「だから、好きなんだって」

「好き……って」




そんなの、絶対、うそ。

そう思ったけれど、まやくんはいつにもなく真っ直ぐな眼差しを向けている。



……まやくん、私のことが、好きなの?