狼くん、ふれるなキケン!



何もわからずに首を傾げると、狼くんはわかりやすい言葉に変えてくれた。




「一緒に、寝てもいいってこと」

「っ、ほんと、ですか?」




無言、イコール、肯定。

半信半疑になりながらも、遠慮がちにベッドの端に居場所を見つける。



狼くんに向かい合う形、喉仏が目の前にある────と思ったら、くるんと狼くんが背中を向けてしまった。今度は襟足が目の前にくる。




「それ以上近づくなよ」

「だめ……ですか?」




背中に手を伸ばそうとするけれど。




「じゃないと酷いことする」

「ひ、ひどいことって……」

「さあ?」




な、何されるんだろう。
とにかく怖いのも痛いのも断固拒否だ。



……というわけで、大人しくその場で我慢する。


それでも、ひとり分のベッドの上なのだから、距離はじゅうぶん近かった。





「だいたい、そんな怖がるなら最初から観なきゃいいだろ」

「そ……、れは無理ですっ」

「はあ?」




低い声ですごまれたけれど、狼くんとゾンビならゾンビの方が100倍……、いや1000倍こわい。



そう、そのくらい。

ゾンビ映画はたしかにふるえ上がるほどこわかったけれど、私にだってゆずれないものはあるもん。



狼くんと少しでも一緒にいるためなら、懲りずにまた同じことをしてしまうんだと思う。