狼くん、ふれるなキケン!




ぎゅうう、とクッションを胸の前で抱きしめる。




今日放映されているのは、誰でもタイトルを聞いたことがあるほど有名な作品で……、でも内容は、ゾンビ映画なの。




ちゃんと最後まで見れば感動するお話だってうわさだけれど、とにかく過激でショッキングなシーンが多くてスプラッタ系に近い。

つまり、明らかに地上波で流す内容じゃない……!




もともと、ホラー映画もパニック系も苦手……それに、サスペンスや医療モノですら、血の流れるリアルな映像を見ることがすごくすごく苦手な私にとっては見るにたえないシーンの連続で。




ぞわぞわと這い上がる恐怖と悪寒とたたかいながら、耳をふさいで、挙句の果てには目もつむって……なんとか、今ここにいる。





「……」





トリハダがたつほど怖いのなら、観るのをやめればいいと言われればそこまでなのだけれど、これは、狼くんのそばにいたい私の意地なの。



ときおりクッションに顔をうずめながら、こわいのを必死に堪えていると、さすがに痺れをきらしたのか。





「……ひな、気が散る」

「……っ!」