狼くん、ふれるなキケン!



「ゆっきーから聞いたんでしょ?」

「えっと……」

「おれと、ゆっきーが義理のきょうだいだって」

「あ、はい」




頷くと、わずかにまやくんの体がふるえたような気がした。




「わらっちゃうよねー、ゆっきーが実質お姉ちゃんなんて。そこはおれが兄がよかったなー」

「……」

「────って、そういうことが言いたいんじゃなくてさ。……ひなちゃんってほんと何も変わらないんだねって話」




変わらないって……。
きょとんとする私にまやくんが言葉を重ねる。




「好奇の目でみられるか、引かれるか、かわいそうだって同情されるかだと思ってた。だいたいのひとがそうだから」




まやくんの表情に影がさす。




「色々フクザツな事情があってさ、おれはやっかいものなんだよねー。押しつけあいの末にあの家に住むことになったし、ゆっきーだっていい迷惑だよねー、こんなおとうとが急にできるなんてさ」



「まやくん……っ!」



「なに?」



「まやくんは自分を下げすぎですよ、らしくないです! ……事情はわからないですけど、小雪ちゃんは迷惑だなんて、きっとそんなこと少しも思ってないですよ、むしろ賑やかになってうれしい……って」




小雪ちゃんと交わした会話。

まやくんの話題になると、呆れたような顔をしていたけれど、それでも、少しもいやそうなんかじゃなかったもん。




「それに、私だってうれしかったんです」

「……」



「転校して、不安だらけだったときに、まやくんが話しかけてくれて。……そりゃあまやくんは、すぐちょっかいかけてくるし、よくわからないこと言ってくるし、からかってくるし、半ば悪魔みたいなものですけど、それでも────」