「ゆっきーと何の話してたの?」
「そ、れは……」
思い返す。
小雪ちゃんと共有した狼くんのことやまやくんのことや、あれやこれや。
まやくんに話してもいいような内容はこれっぽちもない……!
「女の子の秘密です……っ」
「なにそれ、隠されると気になるんだけどー」
「ぜったい言いませんからねっ?」
「帰ったらゆっきーから聞き出そうかな、教えてくれなさそうだけど」
「そうだ、まやくん帰るとき迷子にならないでくださいね?」
「はあ?」
私の忠告に、まやくんはあきれたような反応をする。
心外。
心の底から心配して言ってるのに。
「なに、まさかおれが迷子になるとでも思ってる?」
「……? だって、夜道は暗いですし、あぶないですよっ」
「はー……、おれ、もうそんなにか弱くないんだけどねー」
ため息をこぼしたまやくんは、わずかに表情をゆがめた。
「ひなちゃんのなかでは、ずっと泣き虫のおれのままなんだね」
「まやくんは、ずっとまやくんですよ?」
「……うん、あー……。知ってたけど、ひなちゃんってほんとさ……ぶれないよね」
あの頃とは何もかも変わったのに、とまやくんは自嘲気味につぶやいた。



