狼くん、ふれるなキケン!




すごくリアルに想像してしまった。
瞬間、ちくりと胸の奥が痛くなる。

くるしくて、もやもやしてしまう。




「それで、藤川くんとその子が付き合って、手をつないでデートしたり、あるいは藤川くんがその女の子にふれたり……たとえば────」




思わず耳を両手でふさぐ。
心臓がぎゅっとしぼられるみたい。

……私、この感覚、はじめてじゃない。




『飢えてたら、気持ちがなくても誰にだってできんだよ、こーいうこと』

『他の女の子にも、ああやって触ったり、するんですか?』




────いやだ。

衝動的に、つよく、そう思ってしまった。




喉の奥がくるしくなって、どうしようもなくって、気づけばぼろっと涙の滴が目の縁からこぼれ落ちていた。


それを見た道枝さんが慌てたように。





「ごっ、ごめん、意地悪しすぎちゃったかな……!? だいじょうぶ、全部想像だから────」

「私っ、だめなんです……っ」




思わず顔を手のひらで覆う。





「だめって……それは、どうして?」


「たぶん、おかしいの。狼くんがほかの女の子にふれるの、いやなんです、想像だけでももやもやして、くるしくて……っ。私だったらいいのに、って思っちゃう。ほかの女の子にするくらいなら、ちゅーだってハグだって私にだけしてくれたらって……」




口にしながら気づいた。
私、狼くんのことを、ひとりじめしたいんだ。



幼稚な考えにあきれてしまう。



狼くんはおもちゃなんかじゃないのに。
でも……ほかの誰にもゆずりたくないって思ってしまうのは、ほんとう。