だって、道枝さんが大事な秘密を打ち明けてくれたから。
「あの、私も、道枝さんに話したいことがあって」
「ん?」
「……ほんとは、だれにも、内緒なんですけど……」
約束しちゃった、のだけど。
狼くんと決めた “おやくそく” は少しも色あせないまま、相変わらず冷蔵庫に貼りつけてある。
「私、いま、狼くんとふたり暮らししてるんです……っ」
あんぐり口を開けたまま、道枝さんの固まること数秒。
次の瞬間、悲鳴にちかい声があがった。
「ひぇっ、ほんとに……っ!?」
「ほ、ほんとなんです……、かくかくしかじかで」
「そこのところ詳しく!」
食い気味に前傾姿勢の道枝さんにうながされるまま、幼なじみの狼くんと、再会から同居にいたるまでのあれやこれやを片端から話して。
ひと通り聞き終えると、道枝さんは「ほえー……」と吐息がかった声を漏らす。
「近原さんと藤川くん、なーんかあるだろうなーとは思ってたけど、まさかふたりひとつ屋根の下とはね……」



