狼くん、ふれるなキケン!



「え」

「真矢は近原さんのこと、かなり気に入ってるんだろうけどね。真矢の方からあんなに絡みにいくのってめずらしいし」

「そう、なんですか……?」




まやくんって女の子なら誰彼かまわずああやって距離をつめるんだと思ってた。


なんて、ちょっとばかり失礼なことを考えていると、表情からそれが読み取れたのか道枝さんはおかしそうに笑う。




「それでもまったくなびかないんだもん、この子相当真矢のこと眼中にないんだなって思ってたよ」

「う……」




やっぱりまやくんに失礼な態度をとっていたのかも。


無意識のうちに……と反省する。

道枝さんにとっても義理とはいえおとうとなんだし、気分はよくなかったかもしれない、と不安になっていると。




「いーのいーの、そっちのが好都合だし。真矢が謎に人気出るの癪にさわるしね。────それに、真矢もたぶん、そういう近原さんになら知られていいと思ってるんじゃないかな」



道枝さんがじっと私の瞳を覗きこむ。




「というわけだから、近原さんが後ろめたく思う必要なんてひとつもないの。だから、よかったら、これからもっと────」




仲良くなれるとうれしい、と道枝さんがそっと手のひらを差し出した。



願ったり叶ったり。
私だって仲良くなれると、うれしいもん。



だから、その手のひらに私の手のひらをすぐにでも重ねてしまうこともできたのだけれど……。





「っ、あのっ」