「だから、みんな知らないと思うんだよね。真矢と私が家族で、一緒に住んでるなんて」
「そう、なんですね」
「別に隠してるってわけじゃないんだよ? でもわざわざ言ったりはしないかな」
言ったところで信じないだろうしね、と道枝さん。
「それに、私はともかく、真矢は良くも悪くも目立つもの」
相当げんなりした顔で言うから、ちょっと笑ってしまった。
その気持ちはわからなくはない。
「あんな感じだけど、真矢のこと本気で好きって子も少なくはないし、だったら言わないほうが身のためってこともあって」
「……」
「ただでさえ、連れ子同士の義姉弟なんて、いろんな目で見られるから。真矢も私もそういうのは好きじゃなかったし……。だから、こうして自分から話すのは、近原さんがはじめて」
一見、さらりと軽い調子で話してくれる道枝さん。
でも、きっとその奥には単純じゃない気持ちだってたくさん抱えているはず。
渦中にいない私には、じっさいのところはわからない……けれど。
「あのっ、そんな大事なこと、私が聞いてしまってよかったんですか……っ?」
偶然その流れになっただけ。
道枝さんとまやくんのこと、目撃してしまったから。
そういう義理で話してくれているのなら、申しわけないと思った。



