「え……っ」
「怪我の手当て、してほしいんだけど」
聞きまちがいかと思った。
だって。
「い、いんですか……?」
「なんで」
「だって、触っちゃだめ、って」
狼くんが決めたくせに。
部屋に入ったら怒るくせに。
「手当てなら別にいい」
「なっ」
「あー、嫌ならべつにしてくれなくていいけど」
「しますしますさせてください!」
前言撤回と言われかねない。
そうならないうちに、慌てて救急箱を取りに行く。
ぱたぱたと小走りに帰ってくると、狼くんはその場にちょこんと座って待っていた。オオカミ、じゃなくて今はなんだか子犬みたい。
いつもこうしてくれればいいのに……なんて思ってしまう。



