狼くん、ふれるなキケン!



震える声でたずねると、狼くんはびっくりしたように目を見開いた。



何その反応、まさか私が気づいていないと思ってたの?

気づくに決まってるよ、狼くんが家に入ってきたときにはもう気づいていたもん。



驚いて固まったのは狼くんが帰ってきたこと……というよりも、その狼くんが血のにおいをまとっていたことと、額と腕に怪我をしていたことに対してだった。




「これで心配するなっていうほうが不自然ですよ」




隠しているつもりなのかもしれないけれど、派手についた傷はぜんぜん隠れていない。




「っ、誰にやられたんですか……? 悪いおとなですか? やっぱり、誘拐されかけて────」


「……は?」


「狼くんが帰ってきたとき、ちょうど家を出て探しに行こうと思ってたところだったんです、狼くんなかなか帰ってこないからもしかして悪い人に連れ去られたのかも……って」



「冗談?」

「そんなわけないでしょっ?」




本気で心配したんだもん。

むすっと頬を膨らませる私に、狼くんは面食らったように固まること十数秒。



それから。