帰ってくる気配すらしない。
暇をもてあまして、体育座りのまま、おきあがりこぼしみたいに左右にゆーらゆーら揺れているうちに、だんだん不安になってくる。
もしかして、狼くんの身になにかあったのかもしれない……!
だっていくら何でもおかしいよね。
ここまで遅くなるなら、さすがの狼くんでも私にひとことくらいくれるはず。ほら、狼くんってそういうところはしっかりしてそうだもん。
まさか、帰る途中にどこかで行き倒れたとか、もしくは事故とか……。
ぐるぐる考えているうちに、思考は悪い方向へ傾いていく。
たとえば、悪い人につかまったり……。
誘拐……!?
「……っ」
体中が冷えていくのがわかる。
今、きっと青ざめた顔をしていると思う。
だ、だめだ、このまま大人しくここで待っているなんてだめ。
だって、狼くんが危ない……!
探しにいかなきゃ!
外へ飛びだすべく、すくっと立ち上がったその瞬間。
────ガチャ



