「たまに、すっごい傷つけたまま学校来たりするし、ウワサもあながち間違いじゃなかったりして」
憎たらしい口調で言ってくる。
から、鋭くにらみつけたけれど、そこまで計算していたのか、まやくんは怯むことなく軽い調子で笑っている。
「まやくんはそうやってすぐ意地悪言うんです!」
む、と頬を膨らませる。
「真矢と近原さんと藤川くん、って同じ幼稚園に通っていたんだよね? たしか」
「そうなんです! チクバノトモってやつです」
「うわー、日常会話でそんな言い回しする子、ひなちゃんがはじめてなんだけど」
“竹馬の友” にひっかかったのか、まやくんが眉をひそめている。
「まあ、まちがってはないよね。おれたち、3人そろってずっと同じクラスだったし」
「運命なんじゃなーい?」とまやくんによって勝手に軽々しく運命認定されて、今度は私が眉をひそめる番。
「ずっと同じだったの? じゃあ、そうとう仲良かったってこと?」
道枝さんがそう思うのも当然、なんだけど、現実は上手くいかないものなのだ。
「いや、それがですね────」



