ぱ、と思わず顔をあげて、道枝さんを見つめる。
今ので、信じてくれるの……?
わかってほしい、という願いをこめてこくこくとひたすら頷くと、道枝さんは、ふふっと吹き出した。
「もとから、ぶっ飛んだウワサだったから半信半疑っていうか……そんなに信じてもなかったしね。近原さんがそこまで言うってことはそういうことなんでしょ」
その台詞で、もとから好感度の高かった道枝さんではあるけれど、私の中で、かんぜんに “いい人” 認定された。
我ながら単純だよね。
……でも。
「狼くん、小さい頃から勘違いされやすいんですよ、ほんとうは優しいのに……。……今は、ちょっとグレちゃってるのかもしれないですけど」
ちょっと、っていうかだいぶ。
根が優しいのはきっと変わっていないはず。
だけど、私にはなぜかずっと当たりが強い。
これは、ほんとうに謎だ。ミステリーだ。
なんて頭のなかでまたぐるぐる考えていたら。
「いやー、藤川狼はグレてる、どころじゃないでしょ。良くて不良、悪くて凶暴なケモノってところが妥当じゃなーい?」
いつからこっちの会話を聞いていたのか、とつぜんまやくんが割り込んできた。



