おいでおいで〜、とちょいちょい手招きされるがままにダイニングにおじゃますると。
「わあ……！ 美味しそう……！」
「うふふ、ちょっと張り切っちゃった〜っ」
今日はひなちゃんの歓迎会だからね、と狼くんママ。
食卓には美味しそうなごはんが並んでいる。
なかでも目をひくのは、メインディッシュ、赤いスープに緑の俵が浮かんでいる────そう、ロールキャベツ。
漂ってきた香りの正体はこれだったみたいだ。すっごく美味しそう。
それにしても、ずいぶんと手の込んだ料理でおもてなししてくれるようで、嬉しいを通り越してちょっと気が引けてしまう。
いいのかな、こんなにしてもらって。
至れり尽くせりだよ、ほんとうに。
ありがとうございます、と頭を下げると、狼くんママは「いいのよ〜」とにこにこ微笑む。
「私、とっても嬉しいのよ、ひなちゃんがここに戻ってきてくれて」
