「そうです……っ」
こくこくと首を縦にふる。
彼氏、なんて耳なじみのない言葉。
それだけでまた真っ赤になってしまう私を見て、まやくんはからかい100パーセントで、くはっと笑った。
「りんごみたいになってるけど、ひなちゃんってほんとーに男慣れしてないんだね」
「む……」
喋ったりはするもん、人並みにはね。
でも未だかつて、そういう……レンアイ関係になったことはなくて。憧れていないわけじゃない、私だってうらやましいって思うもん。
たったひとり、とくべつな誰かとデートしたり、ともすれば、その先も。
“とくべつ” が重要なの。
一度も告白されたことがないわけじゃない、中学生のときに何度か男の子にそういう言葉をもらって、すっごくどきどきしたことだってある……。
だけど、その “どきどき” と “とくべつ” がイコールなのかわからなくて、戸惑うことしかできなかった。
頭のなかで思い描く “とくべつな誰か” というのはたとえば────。
「おーい、ひなちゃーん」
「ひゃ……っ!?」



