くやしいことに、まやくんの言うとおりだった。
身長平均未満の私と、リーチの長いまやくんとじゃ、歩幅は比べものにならなくて、あっという間に追いつかれてしまう。
逃げようとしていたはずが、渡り廊下に出たところでまるで罠にかかったように行く手を拒まれてしまった。
手首をしっかり掴まれてしまって、もう逃げようがない。
「まやく……っ、離してください……!」
「だって逃げちゃうじゃん」
「うっ」
「ね、試してみない?」
こてん、と首を傾げたまやくん。
なにを……と思ったのも一瞬。
「キスマーク。つけ方、ひなちゃんだって、興味あるでしょ」
知りたくない?と誘惑してくる。
知りたくない、わけじゃない。
だって、まやくんが言うには、それが今私の首についてるんでしょ……?
でも。
「やっぱり、いいです……!」
「えー、物は試しっていうじゃん」
「っ、丁重にお断りしますっ」



