夕ごはんのあとは、洗いものまでしっかりお片付けを済ませて、それからお風呂。


てっきり狼くんが先に入るものかと思っていたのだけれど、「先入れば」となぜか一番風呂をゆずってくれたの。


だから、お言葉に甘えて先に入らせてもらった。

それで、今、あがってきたところ。




「狼くん、お待たせしました」




リビングのソファに座っていた狼くんに声をかける。バトンタッチ、今度は狼くんがお風呂に入る番。


狼くんからの返事は相も変わらずなかった。

無言、だけど私の声はしっかり聞こえていたようで、ふっと立ち上がったかと思えば脱衣所の方へ向かって行く。



空いたソファに、今度は私がすとんと腰かけた。




「んー……」




ごはんを食べておなかが満たされて。
お風呂に入ったら、体もぽかぽか。



ふかふかのソファに座ったとたん、心地よい眠気の波がおそってきて、ふわあ、とあくびを零した。