だけど、狼くんがあまりにも恨めしげに見てくるから、うっ、仕方ないなあ……とちょっと妥協することに。
「じゃあ……ピーマンのときだけ、一回! 追加、一回までです!」
その限られた1回分のマヨネーズとともに、悪戦苦闘の末、狼くんはちゃんとお皿を空にしてくれた。
最終的には、米粒ひとつすら残っていなくて。
結局ちゃんと完食してくれるんだもん。
それは私が作ったから、私の手料理だから……なんてそんな甘い話ではないに決まってる、けれど嬉しいものはうれしい。
それに、だれかと食べるごはんはやっぱり美味しいよね。狼くんと一緒だと、いつもに増してそう思うの。
狼くんも同じように思ってくれたらいいのにな、って思いつつ。
「ごちそうさま」と手を合わせた狼くんに、「よくできました!」と返すと、「ふざけんなよ」って低い声色ですごまれる。
うーん、まだまだ狼くんと仲良くするのは難しそう、とまたこっそり肩を落とした。