「強がらなくてもいいんですよ?」
「……うざ」
ぎろりと睨まれる。
ほんとうに強がるつもりだったんだろう、狼くんはぱくりと大きく一口で、ピーマンの肉詰めを頬張る。
と、そこまではよかったんだけれど、口にしてすぐ「うっ」と顔を顰めていた。
ぜんぜん、ごまかせていない。
苦手なままなんだな、ピーマン。
それにしても、手料理を食べてもらって、そんな微妙な表情をされると少し心にくる、やっぱり。
不味いって言われてるみたいでちょっと悲しくなる……いや、すべてはピーマンのせいなんだけど。
私までピーマンのことが嫌いになりそうだよ、なんてちょっと八つ当たり。
苦しそうな顔をしているくせに、ピーマンに果敢に挑みつづけている狼くん。
「あの、そんな無理してまで食べてくれなくても……」
「無理とかじゃないし、ひなのために食ってるんじゃない」
「えええ……?」
全否定されちゃった。
それでごまかしたつもりなのかな、意地っ張りだなあ、もう。



