「狼くん……? どうかしましたか?」
「……べつに」
ふいと顔を背けられる。
どうもしないなら、それでいいのだけど……。
その仕草を不思議に思いながらも、ひとまず。
「では、いただきます」
「……いただきます」
手を合わせる。
狼くんもちゃんと丁寧に手を合わせてくれた。
まず、お味噌汁に手を伸ばした狼くん。
口へ運ぶその様子を思わずじっと見つめる。
「どう……ですか?」
もぐもぐと咀嚼する狼くんに聞いてみた。
「ふつう」
不味い、って言われなかった。
よかった、とほっとして、私もお味噌汁をすすってみる。
たしかにふつうだった。
可もなく不可もなく……でも、ちゃんとお味噌汁の味がしたから合格じゃないかな。
これでも、ちょっと成長したんだよ。
今朝、朝ごはんにつくったお味噌汁は、ちょっと水っぽかったもん。
今思えば、狼くんが朝ごはんを口にしていなくて結果オーライだったかもしれない。



