「カイン、気にしないでください」

 アイリスはカインを制止する。

「だが……」
「相手にするのはやめましょう。それより、訓練の続きをしませんか?」
「そうだな」

 アイリスが剣を構えて見せると、カインも気を取り直したように笑って剣を構える。

 これは弟のディーンが元気になるまでの仮初めの生活。
 そうはわかっていても、騎士団での生活はとても楽しかった。