「閣下。そろそろお時間ですのでお願いします」
「ああ、わかった」

 そうこうするうちにグレイルが呼びにきたので、レオナルドは立ち上がる。今日は年に一回の帝都騎士隊の新入団員を迎え入れる日だ。

 帝都騎士団は騎士団の中でも別格のエリート集団だ。
 各地で行われる騎士隊の試験で優秀な成績を収めた者、もしくは由緒正しい騎士家系の者だけが入団できる。

「今年はどんな感じだ?」
「まあ。例年と同じですね。ただ、一人だけちょっと心配な奴がいますね。体が小さいし、細い。女みたいな見た目ですよ」
「よく入団できたな?」
「コスタ家の者のようです」
「コスタ家? なるほどな」